犬の脛骨骨折

症例内容

チワワ、未去勢雄、5ヶ月齢の症例です。
ソファから落下後、左後肢を挙げていることを主訴に来院されました。来院時も左後肢を挙上しており、左膝関節周囲の腫張も認められました。レントゲン検査を実施したところ左の脛骨近位骨幹端の骨折が確認されました。(画像 術前)

画像 術前

飼い主様と相談の上、内固定法により骨折の治療を実施することになりました。
手術は内側アプローチにて行われ、脛骨粗面の成長板を確認しながらプレーティングを行いました。今回の手術では、骨の形状から普段は前十字靭帯断裂の手術で用いられているTPLOプレートにて以下のレントゲン写真のように固定しました。(画像 術前)

画像 術後

脛骨骨折の発生率は犬と猫の骨折全体の10~20%と報告されており、比較的発生頻度の高い骨折です。50%以上が1歳齢未満の若齢動物で、交通事故や高所からの落下などの強い外力が原因となって生じています。しかしこれらの多くは脛骨粗面成長板あるいは、脛骨近位の成長板骨折です。本症例はそれに該当する骨折ではなく、若齢での脛骨近位の骨折パターンとしては比較的珍しいタイプでした。骨折の治療方法には包帯法による外固定やインプラントを使用した創外固定法、プレートやスクリューなどのインプラントを用いる内固定法があり、骨折の状態や動物の性格から飼い主様と相談して決めていく必要があります。
本症例では術後2か月のレントゲン写真にて骨折線の消失を認め、骨のアライメントは健常肢と相違なく骨癒合させることができたため、適切な治療方法であったと考えます。お家では、左後肢もしっかり地面に着いて歩いてくれているようです。引き続き慎重に経過を見ていきます。(画像 術後2か月)

画像 術後2か月