一番の特徴としては、手術によってがんを切除することなくがんに対しての治療効果を期待することができるため、手術が本来適応とならない部位や臓器を温存したまま治療を行うことができます。また化学療法(抗がん剤治療)では一般的に縮小させることが困難と言われている固形がんに対しても治療効果が期待できる場合や、腫瘍切除後の再発予防にも用いることができます。代表的な適応疾患として鼻腔内腫瘍、肥満細胞種、口腔内メラノーマ、一部リンパ腫などがあげられます。当センターでは動物にできるがんに対して他の治療方法と比較し、専門的な見地から適応かどうかを判断しご提案させていただいております。
しかしながら獣医領域では全国的にも実施可能な施設は少数であり、未だ一般的な治療法として受けられるほど普及していない治療法でもあります。治療を受けるにあたっても、放射線の照射は複数回に分けて行うためその都度全身麻酔をかけなくてはいけない点は人医療と大きく異なっています。また治療計画に沿って頻回の来院が必要であったりすることも多く、飼い主さんが遠方の場合ではより負担がかかってしまうことも少なくありませんでした。こういった現状を踏まえ、当センターでは地域密着型病院だからこそできることを模索し、地域医療における新しいがん治療の一つとして取り組んでおります。
治療前
放射線照射後
治療前
放射線照射後